歩道橋事故損害賠償請求訴訟 第一回口頭弁論での意見陳述より



 あのような形で愛する娘を失った私たちは、日々生きているという実感がありません。今日死にたい、明日死にたいと思い続けて毎日を過ごしてきました。
 涙を流さない日は一日もなく、残された子どものためだけに自分を奮い立たせて前を向いているのがやっとです。

 

 親ならば想像してみてください。大切に守り育ててきた最愛のわが子が他人の不注意であっけなく命を落としてしまうことがどんなことなのかを。逃げ出せない状況に追い込まれ、娘を守りきることも、代わりに死んでやることもできず、罪深い気持ちを抱えたまま生きていくことがどんなことなのかを。

 

 時間がたつにつれ、事故は風化していきます。事故当時、責任を感じていたであろう人間も、日常生活をおくるうちその気持ちが薄れ、やがては保身に努力を重ねるのではないでしょうか。逃げ出したい、忘れてしまいたいと思ったでしょう。なおさらのことです。
そして遺族だけが、いつまでも苦しむのです。愛する家族を理不尽な形で失ったという事実だけが目の前に存在するのです。

 

 3者には、自己の過ちを過ちとして認めてほしいと思っています。これ以上、私たちの信用を裏切らないでほしいのです。

長女を亡くした母

BACK